田村充税理士事務所

過去の相談内容①

相談内容

売上を入金があった月に計上し、仕入れなどを支払った月に計上しているが、何か問題があるか?

回答

税務署だけを考えるのであれば、決算において売掛金や買掛金等を計上し、適正な利益を出してもらえれば、特に問題はありません。
しかし、ほとんどの場合、会社の経営は税務署だけを考えれば良いというわけではないので、正しい会計処理への変更をお勧めします。

解説

売上は、入金があった月ではなく、物を引き渡した月・サービスを行った月・工事が完了した月などに計上し、その売上に対応する仕入などの原価は、その売上を計上した月に計上するのが正しい会計処理です。

現金預金の入出金により、売上及び仕入などを計上する簡便な会計処理を行っている会社をたまに見かけますが、この方法は、記帳はしやすいですが、各月ごとの利益を把握できず、最終的な利益や法人税等の税額が分かるのが、申告期限の直前になることが多いです。

正しい会計処理へ変更することにより、各月ごとの利益を把握でき、決算日よりも前に利益予測や税額予測ができるようになり、納税資金が足りないという資金繰りの悪化の防止や、スムーズに融資等が受けられたりするなどのメリットがあります。

決算書は本来、税務署のためではなく、会社の資産負債、業績などを把握するために作成するものであり、会社の将来を考えるのであれば、正しい会計処理へ変更された方が良いでしょう。

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